そういったお悩みをお持ちではありませんか?
FXの両建ては投資戦略の1つであり、上手に利用すればFXの勝率を高めることができます。
とはいえ、FXはユーザーに対する規制が厳しく、禁止事項が多いため、理解が浅い投資戦略を利用するのはためらいますよね?
そこでこの記事では、FXの両建ての概要、メリット・デメリット、疑問点について解説します。
この記事を読んで、FXの両建てを実践で応用できるレベルまで理解を深めましょう。
- FXにおける投資戦略のうちの一つ
- 同一通貨で買いと売りのポジションを同時に持つこと
- 為替相場の急激な変化に強く、対応策として使用できる
- スワップポイントやスプレッドに注意する必要がある
- 基本的に禁止はされていないが、一部の取引会社には細かいルールがある
FXの両建てとは?
そもそも、FXの両建てとはどういった手法なのか説明します。
FXの両建てとは?
両建てとは、信用取引において、買建てと売建ての両方のポジションを持つことです。両建てを行うことによって、もし株価が上昇したら、買建てしていたものを決済して利益を確定します。この時点で売建てのポジションは、損失を抱えることになりますが、その後株価が下がったときには売建てのポジションを決済することによって利益を得ることができます。先物取引でも同様の取引方法が取られることがあります。両建てのメリットとしては、相場が一方的に動いても損失を防ぐことができることにあります。
引用:東京証券株式会社
FXの両建てとは、同一通貨において、買いポジションと売りポジションを同時に保有する手法です。
具体例を挙げて解説します。
- 1ドル=100円のタイミングで買いポジションを入れる(買:±0)
- 相場が1ドル=120円に変化する(買:+20円)
- 1ドル=120円タイミングで売りポジションを入れる(買:+20円 売:±0)
- 相場が1ドル=125円に変化する(買:+25円 売:-5円)
このような一例を挙げました。
1ドル=120円の際に売りポジションを保有(3)したため、相場が1ドル=125円に変化する(4)と5円の含み損が発生します。
しかし、その含み損は、100円で保有している買いポジションによってカバーされるのです。
常に含み益と含み損が発生していますが、FXの両建ては価格変動による損益の増減がないといった特徴を持ちます。
FX両建ての使い方
FXの両建ては様々な場面に応用できる手法です。
中でもおすすめのが、「長期的な上げトレンド相場に対応しつつ、短期トレンドもカバーしていく」といった使い方です。
例えば小さな上げ下げを繰り返しつつ長期的に上がっていく相場があるとします。
その際に買いポジションのみを保有していると、相場が下がった際に損益が出てしまいます。
そこで、売りポジションを同時に保有することで、相場が下がった際の損失を相殺できるのです。
両建てをした後、相場が下がった際に売りポジションのみを決済します。
そうすることで、売りポジションによる利益を獲得しつつ、再び長期的な上げを目指して買いポジションを保有することができるのです。
以上のような一連の流れだけを見ると
と思いがちですが、FXの両建てにはメリットもあればデメリットもあります。
次は、FX両建てのメリット・デメリットを説明します。
FX両建てのメリット
FX両建てのメリットを3つ紹介します。
- 為替相場の急変に対応できる
- 常に含み益が発生している
- 少ない証拠金で取引できる
それぞれ解説していきます。
為替相場の急変に対応できる
先ほど説明した、「FXの両建ては価格変動による損益の増減がない」という特徴は、相場の急激な変化に対応できます。
例えば「世界的に影響力のある人物による発言」「突然起きる世の中に大きな影響を与える出来事」など、全く予測できない要素によって、相場が急激に変化する場合があります。
こういったケースにより、自分のポジションの逆に大きく動いてしまい、強制ロスカットを食らってしまうパターンはよく見受けられます。
例え99%上がる相場があったとしても、残りの1%では何が起きるのか全くわかりません。
そこでFXの両建てを用いれば、このようなリスクを抑えるのに役立つのです。
なぜなら、どれだけ価格が変動しようと、損益の合計は同じであるからです。
常に含み益が発生している
FXの両建ては常に含み益が発生します。
先程の具体例を用いてわかりやすく解説します。
- 1ドル=100円のタイミングで買いポジションを入れる(買:±0)
- 相場が1ドル=120円に変化する(買:+20円)
- 1ドル=120円タイミングで売りポジションを入れる(買:+20円 売:±0)
- 相場が1ドル=125円に変化する(買:+25円 売:-5円)
- 相場が1ドル=140円に変化する(買:+40円 売:-20円)
- 相場が1ドル=90円に変化する(買:-10円 売:+30円)
このように、先程の具体例における1ドル=120円から大きく上に動いても(5)、大きく下に動いても(6)常に含み益が出ていることがわかります。
相場が120円より上がり続けると元々の買いポジションが含み益を増やし続けます。
逆に、相場が120円から1円でも下がると1ドル=120円で入れた売りポジション(3)が即座に含み益となります。
このような理由から、FXの両建てには常に含み益が発生しています。
少ない証拠金で取引できる
FXの両建てには少ない証拠金で取引できるといったメリットもあります。
証拠金とは一言で言うと、担保のようなものです。
証拠金の管理はFXにおいて非常に重要です。
証拠金が減ってしまうとロスカットを食らうのみならず、相場が大きく動いた場合には追証(追加の現金)を支払う必要があります。
これを防ぐためにも、必要最低限の証拠金で取引を行うのが望ましいです。
そう考えがちですが、結論通常より少ない証拠金で取引を行えます。
なぜなら、FXの両建てでは取引金額の多い(取引数の多い)ポジションのみに取引証拠金が必要であるからです。
例えば、買いポジション売りポジション共に10,000円づつの取引をするとします。
本来の必要証拠金→買い(10,000円)+売り(10,000万円)=20,000円
両建ての必要証拠金→買い(10,000円)or売り(10,000円)=10,000円
このケースでは本来の必要証拠金の半分で取引できています。
このようにFXの両建ては少ない証拠金で取引が可能なのです。
FX両建てのデメリット
一方でFX両建てのデメリットを3つ紹介します。
- 常に含み損が発生している
- ロスカットになる恐れがある
- スワップポイントやスプレッドの負担がかかる
それぞれ解説していきます。
常に含み損が発生している
FXの両建ては、常に含み益が発生するというメリットがある一方で、常に含み損が発生しています。
再び先程の具体例を用いて説明します。
- 1ドル=100円のタイミングで買いポジションを入れる(買:±0)
- 相場が1ドル=120円に変化する(買:+20円)
- 1ドル=120円タイミングで売りポジションを入れる(買:+20円 売:±0)
- 相場が1ドル=125円に変化する(買:+25円 売:-5円)
- 相場が1ドル=140円に変化する(買:+40円 売:-20円)
- 相場が1ドル=90円に変化する(買:-10円 売:+30円)
先ほどとは逆に、相場が上に動くことによって、売りポジションの含み損が常に発生しています。
一方、下に動くことにより、買いポジションの含み損が常に発生しています。
このような理由から、FXの両建てには常に含み損が発生しています。
スワップポイントやスプレッドの負担がかかる
FXの両建て状態において、損益が一定だから自己負担額が0であると考えがちですが、実はスワップポイントやスプレッドによる負担がかかってしまうといったリスクが隠れています。
スワップポイントとは簡潔に説明すると「金利差調整分」です。
例えば、低金利である日本円を売って、高金利であるメキシコペソを買った際、金利差に応じた収益を毎日獲得できます。
しかし、逆に高金利の通貨を売って、低金利の通貨を買った場合は損失分を支払う必要があります。
FXの両建てでは買いと売り2つのポジションを保有するため、それぞれにスワップポイントが発生します。
そのため、スワップポイントが負担となる場合もあるのです。
また、買値と売値の差分を「スプレッド」と呼びます。
為替相場が荒れている時などはスプレッドが拡大する場合が多く、思わぬ損失が発生してしまうことがあります。
FXの両建てをする際には「スワップポイント」「スプレッド」に注意しましょう。
ロスカットになる恐れがある
そう考えてしまいがちですが、実はFXの両建てによりロスカットになってしまうリスクがあります。
中でもスワップポイントによる損失の発生によるロスカットが目立ちます。
スワップポイントはポジションを持っている限り毎日発生します。
そのため、スワップポイントによる損失に気づかずにポジションを持ち続けると危険です。
また、スワップポイントは証拠金に対して発生するため、取引数量が多ければ多いほどロスカットを警戒する必要があるのです。
FXの両建てにはロスカットのリスクが存在することを覚えておきましょう。
FXの両建てができるおすすめ口座3選
FXをする際には口座選びも重要です。
口座ごとに手数料やルールが異なるため自分の取引スタイルに合った最適な口座を選ぶことが大切です。
また、口座運営会社の中にはFXの両建てを禁止とする会社もあるため、十分に注意して開設する口座を選びましょう。
実際にFXの両建てができる口座を3つ取り上げ、それぞれの特徴を説明します。
- GMOクリック証券
- DMM FX
- MASTUI FX
GMOクリック証券
- FX取引高が世界No.1!人気で信用のできるFX会社
- 手数料・スプレッドが安く、お得にトレードできる!
- 無料ツールを使用可能!スピード注文にも対応
『GMOクリック証券』は、FX取引高が世界No.1のFX会社(ファイナンス・マグネイト社調査)です。
ユーザーの多さからも、高い信頼度がうかがえます。口座開設に迷ったらまずは『GMOクリック証券』がおすすめです。
そして、『GMOクリック証券』の魅力はなんといっても業界最高水準の取引手数料の安さです。
FXの両建てをするうえで、取引手数料の安さは重要なポイントです。
ロスカットやスプレッドによる損失を防ぐためにも、理想的なFX会社です。
また、「はっちゅう君FXプラス」というツールを無料で使用できます。
決済注文をワンクリックで行うことができるため、スムーズな取引が可能です。
初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめなFX会社です。
DMM FX
- 本人確認が簡単!最短1時間
- 安心の24時間サポート対応、『LINE』相談もできる!
- 最新のニュースを無料提供
『DMM FX』本人確認が簡潔かつ早いと評判のFX会社です。
従来の本人確認は書類の郵送手続きなどの必要があり、口座開設までに1週間ほどかかる場合があります。
しかし、『DMM FX』では、本人確認をインターネット上で完結できます。そのため、口座開設から取引までスピーディーに行えるのが魅力的です。
また、24時間サポート体制が整っており、『LINE』でも気軽に相談ができるので安心です。
FXを行っている途中で疑問点が生じることは多々ありますので、便利です。
さらに、会員限定で為替相場に関する最新のニュースを無料で読むことができます。
FXにおいて情報収集は非常に重要であるため、こういった特典は嬉しいものです。
充実のサポートを受けつつ、口座開設をしてすぐに取引をしたい方には『DMM FX』がおすすめです。
MATSUI FX
- 100年以上の歴史を持つ老舗の証券会社『松井証券』が運営
- 1通貨単位から取引可能!まずは少額でお試しも
- 老舗会社なのにスプレッドが狭い
『MTSUI FX』は、大正7年に設立されてから100年以上の歴史がある老舗証券会社『松井証券』が運営するFX口座です。
老舗会社だけあって、安心感や信頼感の高さが売りです。
2021年に行われたアップデートにより1通貨単位から取引できるようになりました。
100円からでも取引可能ですので、まずはお試しに少額から始めたい方や、いますぐ取引の資金を用意できない方におすすめなFX口座です。
また、リニューアルによりスプレッドが狭くりました。
老舗会社では通常スプレットが広い場合が多いのですが、『MATSUI FX』は老舗でありながら、業界最高水準のスプレッドを実現しています。
コストを抑えつつ老舗会社の安心したサポートを受けたい方におすすめです。
FX両建てのFAQ
FXの両建てに関する疑問点を解消していきます。
よくある質問を3つ挙げた後、それぞれについて解説します。
- FXの両建てが最強で負けないって本当?
- FXの両建てが禁止されているFX会社はある?
- FXの両建てに必要な証拠金はいくら?
FXの両建てが最強で負けないって本当?
結論、負ける可能性があります。
損益に関していえば、たしかにFXの両建ては理論上負けることはありません。
しかし、FXでポジンションを保有すると、スプレッドやスワップポイントなど相場の変化以外にも損益に影響を与える要素が加わってきます。
そのため、負ける可能性があるのです。
そもそもFXにおいて絶対に負けないという手法は存在しません。
FXの両建てに関してもそうですが、投資手法はあくまで戦略であるため、その時の状況に合わせて利用することで効果を発揮します。
FXの両建ては、長期的な上昇トレンドを見据えつつ、短期的なトレンドを獲得していく場合において特に有効です。
絶対に負けないというわけではありませんが、効果的に利用することで勝率アップにつながります。
FXの両建てが禁止されているFX会社はある?
FXの両建が禁止されているFX会社は存在します。
日本のFX会社で両建てを禁止している会社はほとんど存在しませんが、海外のFX会社においてはFXの両建てが禁止である会社も存在します。
また、禁止ではないがルール付きといった会社もありますので、有名な海外FXサイト『XM』の実例を用いて紹介していきます。
『XM』ではFXの両建て自体は認められています。
しかし、『XM』の口座と別業者の口座間での両建てが禁止されています。
知らずにやってしまうケースもありますので、注意しましょう。
また、『XM』ではアービトラージ(裁定取引)という、2つの商品の価格差を利用した両建てが禁止されています。
バレます。なぜなら、取引プラットフォームにすべての履歴が残っているからです。
出金拒否やアカウント停止の原因にもなるため、事前にルール確認を欠かさないようにするべきです。
FXの両建てに必要な証拠金はいくら?
FXの両建ての際に必要な証拠金は会社ごとにルールが異なりますが、一般的には取引数量の多いポジションのみ証拠金が必要です。
例えばある銘柄に対して「買い5,000円、売り3,000円」の証拠金が必要だったとします。
本来であれば合計の8,000円が証拠金として必要ですが、FXの両建ての場合5,000円が証拠金として必要です。
こちらも会社ごとにルールが異なるため、しっかりと確認をしておきましょう。
FXの両建てとは?|まとめ
- 同一通貨で買いと売りのポジションを同時に持つことを示す。
- 相場の急激な変動に強く、短期トレンドをカバー。
- ロスカットの可能性もあるため、スプレッドやスワップポイントに注意。
- FXの両建てを上手に利用していくことが大切。
- 海外FX会社においてはFXの両建てに関するルールが厳しいので、確認を欠かさない。
以上、FXの両建てについて解説をしました。
FXの両建ては、同一通貨で買いと売りのポジションを持つという手法ですが、ただ両建てをするのではなく、上手に応用していくことが大切です。
また、FXの両建てに関しては細かいルールが存在しますので、しっかりと理解をしてから使用する必要があります。
この記事で学んだことを活かして、FXの両建てを上手に利用し、FXの勝率を高めていきましょう。